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“StrID : 10834
“Title : 私たちが死刑囚の写真を撮影・公表した理由(青木理)|第1回:法務省から届いた噴飯物の抗議文
“Cats : メディア・マスコミ・ジャーナリスト関係
“Tags : マスコミ,ジャーナリスト青木理,拘置所,抗議
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『FRIDAY』に掲載された拘置所内の”元少年”の写真。
法務省から送付された「抗議文」は噴飯物の内容だった。
刑事司法の歪みと、メディアと事件報道のあり方を
根本から問い直す問題提起ルポさる5月31日のこと、東京都内にある私の仕事場に、一通の封書が郵送されてきた。速達の簡易書留で、消印は5月30日付。封筒の表側下部には「名古屋拘置所」と仰々しく印刷されていたが、脇に添えられた日付欄は空白のままで、封筒を裏返してみても差出人の記載すらない。
表側にボールペンで書いたらしき住所と氏名は、間違いなく私宛となっていた。ただ、その文字はミミズがのたくったような筆致で、失礼ながら中学生程度の子どもが書いたものにしか見えなかった。
何かのイタズラだろうか。一瞬、本気でそう思ったが、名古屋拘置所からの手紙は身に覚えがないわけでもない。封筒を開けてみると、案の定だった。一枚だけ封入されていたA4判の紙切れには、ひときわ大きく「抗議文」と記され、次のような文言がワープロ打ちで綴られていた(以下の引用は原文ママ、一部略)。
青木 理殿
名古屋拘置所長 小野 修(印)
本月12日(木)に発売された週刊誌「フライデー」に、当所の被収容者の面会中の姿を撮影した写真が掲載されていますが、当所における調査の結果、上記写真は、本年3月11日、貴殿らが当該被収容者と面会した際に撮影されたものであると認められました。
今回の貴殿らの行為は、面会室内への撮影機器等の持込禁止に反し、刑事施設に関する法令で認められないものであることに加え、刑事施設に収容されている個人のプライバシー保護にも重大な問題を生じかねないものでもあることから甚だ遺憾であり、ここに厳重に抗議します。
一読し、失笑した。法令で認められない? 個人のプライバシー保護? ふざけたことを言うものではない。拘置所を所管する法務省は公安調査庁などの人権抑圧機関を傘下に従え、後述するように各地の拘置所当局は未決の被告人の外部交通すら徹底監視している。その拘置所がプライバシー保護を云々するなど、たとえは悪いが、他人の財産権を侵してはならぬと泥棒から説教されるに等しい。呆れ果てて封筒ごとゴミ箱に放り捨てたくなったが、同時に激しい憤りもわき起こってきた。ここに至るまでの一連の出来事には、断じて看過できぬ問題が数々含まれているからだ。それは、この国の刑事司法の根本部分に関わり、さらにはメディアと事件報道の在り様にもつながる大問題である。
そのことを記す前に、まずは名古屋拘置所長が、「抗議文」なるものを送りつけてきた理由として挙げた『FRIDAY』誌の記事について、概略を説明しなければならない。
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FileName: 20150114_2237.txt
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SentDate: 2015-01-14 22:38:27
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